キンタメ

distractions ~ディストラクションズ 気晴らしブログ~

音楽、映画、漫画などの昔のネタを気ままにマイペースでやってるブログです。

『キャント・バイ・ミー・ラブ(Can't Buy Me Love)』 ビートルズ

       

                              f:id:kinta-kk:20190314162733j:plain

ビートルズ 6th シングル

 「キャント・バイ・ミー・ラブ(Can't Buy Me Love)」は1964年3月20日、パーロフォンからリリースされたビートルズ6枚目のシングルである。もちろんレノン・マッカートニー作詞作曲のオリジナル・ナンバーだ。おもにポールが書いた曲で、リード・ボーカルもポール。B面はやはりオリジナルの「ツー・キャン・ドゥ・ザット(You Can't Do That)」で、こちらはジョンがメインの曲である。

 

ビートルズを取り巻く状況

 セカンド・シングル「プリーズ・プリーズ・ミー(Please Please Me)」のヒットで大ブレークしたビートルズだったが、アメリカではさっぱり売れなかった。

 ところが5枚目のシングル「抱きしめたい(I want To Hold Your Hand)」が1964年初頭から大ヒット。タイミングよく初訪米と重なり、イギリスから一年遅れてアメリカでブレークした。

 「キャント・バイ・ミー・ラブ」は空前のビートルズ・ブーム真っ只中にリリースされた。

 

レコーディング

 レコーディングは通例のEMIスタジオではなく、1月29日、パリにあるパテ・マルコーニ・スタジオで行われた。フランス、パリ公演の合間を縫ってのもので、「抱きしめたい」「シー・ラブズ・ユー(She Loves You)」のドイツ語ヴァージョン(「Komm, Gib Mir Deine Hand」「Sie Liebt Dich」)のレコーディングが目的だった。レコーディングは短時間で終わったので、ついでに新曲のレコーディングに取り掛かった。

 ビートルズジョージ・マーティンは今回も曲構成に工夫を凝らし、イントロなしでいきなりポールのシャウトから始まりインパクトを出している。エンディングもポールのボーカルで締めている。

 ジョージのトレード・マーク、リッケンバッカー360/12がレコーディングで最初に使用された曲でもある。

 発売されたのはモノラル・ミックスだが、アルバム用にステレオ・ミックスも制作されている。ステレオ・ミックスではオーバーダビングしたジョージのギター・ソロに消去できなかったのか別テイクのギター・ソロの音もはっきり聞こえる。

 モノラルが主流だった当時ステレオ・ミックスはメンバーも立ち会わないなど軽視されていたようだが、「キャント・バイ・ミー・ラブ」のステレオも若干の仕事の雑さを感じる。

 

チャート制覇

 前述のようにアメリカでブレーク直後のリリースだったため、「キャント・バイ・ミー・ラブ」は予約発注だけで史上初の100万枚に達してしまった。これはギネス記録として認定され、さらにビルボードでは2週目で1位獲得という最短記録を樹立した。

 その1位を記録した4月4日、ビートルズ前人未到の記録を達成する。ビートルズの楽曲が、ビルボードのチャート上位5曲を独占するという快挙だ。ブレークにともない、過去見向きもされずに終わったシングルが遡って売れ始めたために起こった現象だ。

 

      f:id:kinta-kk:20190314162815j:plain

   4月4日付 ビルボード・ホット100

 

 

ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!(A Hard Days Night))』

 

 同時期に撮影された映画『ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!』の中でも挿入曲として使用されている。

 スタジオを抜け出したビートルズがグランドを走り回る有名なシーンのバックで流れていて、強く印象に残る。

 

 こうしてみると、やはり「キャント・バイ・ミー・ラブ」もビートルズを語る上では欠かせない代表曲のひとつだろう。 

 

 

 

 

 
The Beatles Can't Buy Me Love (live HD)