「フロム・ミー・トゥー・ユー (From Me To You)」 ビートルズ
フロム・ミー・トゥー・ユー
ビートルズの3枚目のシングル「フロム・ミー・トゥー・ユー」は1963年4月11日発売
された。B面は「サンキュー・ガール」。
ヘレンシャピロのツアー中の2月28日、シュールズベリーへ向かうバスの中でジョンとポールによって作られた。
レコーディングは書かれてからわずか5日後の3月5日に行われた。この日のセッションでは「サンキュー・ガール」も同時にレコーディングした他に「ワン・アフター・909」も手がけたが、納得のいくパフォーマンスができなかったようでお蔵入りとなった。
その後「ワン・アフター・909」は「ゲット・バック・セッション」で再び取り上げられ、アルバム『レット・イット・ビー』に収録された。ちなみにこの日レコーディングされた63年ヴァージョンは32年を経て『アンソロジー 1』にて陽の目を見た。
ビートルマニア
元々イントロはギターだったがジョージ・マーティンのアドバイスでジョンによるハーモニカがオーバーダビングされた。マーティンのアイデアは上手くいき、この曲の魅力を引き立てとてもビートルズらしい仕上がりになった。
ポールはミドル・エイトでマイナーに変わる部分を自分たちの曲作りの大きな成長だととインタビューで答えている。
63年になるとビートルズの人気は一気に高まり、やがてイギリスにとどまらずヨーロッパ中に広がっていった。特に熱狂的なファンはビートルマニアと呼ばれ大きな話題となりビートルズの人気は社会現象となった。
「フロム・ミー・トゥー・ユー」「サンキュー・ガール」はタイトルが示す通りそんなファンに向けた感謝のメッセージだろう。この頃のビートルズはまだアーティストというより少女たちのアイドルだったのだ。
前作「プリーズ・プリーズ・ミー」はチャートによっては1位になっていなかったので(「レコード・リテイラー」では2位止まりだったため『1』には未収録だった)、「フロム・ミー・トゥー・ユー」こそが正真正銘最初の全英ナンバー・ワンである。しかしイギリスで大ヒットしたにもかかわらずアメリカではマイナーレーベルから「プリーズ・プリーズ・ミー」のB面でのリリースだったためにあまりヒットせず、さらに次作「シー・ラブズ・ユー」から特大ヒットが連発するため若干地味な印象となってしまった感がある「フロム・ミー・トゥー・ユー」だが、初期ビートルズを語る上で外せない重要な一曲であるだろう。
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