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distractions ~ディストラクションズ 気晴らしブログ~

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「シー・ラブズ・ユー(She Loves You」 ビートルズ

 

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4枚目のシングル

 

 ビートルズの4枚目のシングル「シー・ラブズ・ユー」は1963年8月23日にリリースされた。B面は「アイル・ゲット・ユー(I'll Get You)」

 すでにイギリスでの人気は圧倒的で「シー・ラブズ・ユー」もすぐにチャートの首位に立ち4週連続1位を記録しその座を明け渡すが、その後1位に返り咲き通算7週1位を獲獲得した初期の代表作。

 

 ビートルズ初のミリオン・セラーとなっただけでなく、イギリスのシングル・レコードの売り上げ記録も樹立した。記録は1977年ウイングスの「夢の旅人(Mull Of Kintyre)

」に塗替えられるまで14年間保持した。

 

レコーディング

 

 「シー・ラブズ・ユー」は「プリーズ・プリーズ・ミー」や「抱きしめたい」などと共に初期ビートルズを代表的な一曲で、ビートルズ人気を決定的にした。

 レコーディングは「フローム・ミー・トゥ・ユー」がヒット中の7月1日、わずか1日で行われた。

 「ラブ・ミー・ドゥ」オリジナル・バージョンと同様にリアル・ステレオ・ミックスは存在してない。

 曲はもちろんレノン・マッカートニーのオリジナル。6月下旬、ジョンとポールがツアー先のホテルで書き上げた純然たる共作。元々ポールは "yeah yeah yeah" は掛け合いコーラスにするつもりだったようだ。

 ジョージ・マーティンのアイデアでいきなりサビから始まる斬新な展開が功を奏している。曲が始まると一発で聴く者の耳を捕える。

 

" Yeah Yeah Yeah" 

 

 サビでは印象的な " Yeah Yeah Yeah" のコーラスが繰り返され、ビートルズのキャッチ・フレーズになった。このフレーズは意図的に仕掛けらたようで、B面の「アイル・ゲット・ユー」も冒頭から "Oh yeah~" で始まる。

 他にもイントロが2拍のリンゴのタム、エンディングのコードにメジャー6thを使うなど、曲の最初から最後まで工夫を凝らして制作されている。

 「シー・ラブズ・ユー」に限らずビートルズはレコーディングに臨んで常にこのような工夫をして大きな効果をあげており、この意欲がやがて「リボルバー」「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」へ繋がる。

 

アメリカの反応 

 

 デビュー前からアメリカでの成功を目論んでいたビートルズは、当然「シー・ラブズ・ユー」もアメリカのレコード会社に売り込む。

 イギリスでは空前の人気で社会現象となっていたビートルズだったが、大国アメリカではほとんど無名の存在だった。

 ビートルズのレコードのアメリカでの販売を請け負っているのは本来キャピタル・レコードである。しかしキャピタルはヒットの見込みなしとの判断でリリースを見送った。そのためマイナー・レーベル(スワン)から9月16日にリリースされた。 

 過去3枚のシングルと1枚のアルバムもキャピタルから相手にされず、マイナー・レーベルからの発売で当然ながらまったく売れなかった。

 

全米 No.1 ヒット

 

 しかし次のシングル「抱きしめたい」で状況は一変する。「抱きしめたい」を聴いたキャピタルは「この曲ならアメリカでも売れる」と判断、5枚目にしてようやくキャピタルからリリースされる。

 「抱きしめたい」はすぐにチャート入りし大ヒット。セカンド・アルバム『ウィズ・ザ・ビートルズ』のアメリカ編集盤『ミート・ザ・ビートルズ』もヒット。イギリスで吹き荒れるビートルズ旋風がついにアメリカに上陸した。 

 突然のブームに不発に終わった過去の曲も売れ始める。1964年3月21日、「抱きしめたい」と入れ替わり「シー・ラブズ・ユー」は首位に立った。発売から半年の快挙だった。最終的に「抱きしめたい」に次ぐ年間売り上げ第2位の大ヒット作となった。

 

 


The Beatles - She Loves You - 1963


Beatles She Loves You (With Lyrics)